流水の分配を司る神。「くまり」は「配り」を意味し、水源地や分水点にまつられることが多い。『古事記』には、ハヤアキツヒコ・ハヤアキツヒメ両神の子として、天之水分神・国之水分神が登場する。この両神を祭神とする神社は各地にみられるが、とくに奈良県の葛木水分神社、吉野水分神社、宇太水分神社、都祁神社、大阪府の建水分神社、天水分豊浦命神社などが有名である。水を分かち与える神格として、雨乞いの対象となることもあった。また、のちにミクマリがミコモリになまり、御子守と解されるようになり、子授け・安産の神、子供の守護神として信仰されるようにもなった。さらに、水を司ることから田の神と結びついたり、山中の水源地に祀られる場合には山の神と結びつくこともある。
(岩井 洋)
國學院大學日本文化研究所「〔縮刷版〕神道辞典」弘文堂 P93
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